S-Gカテーテル スワン‐ガンツカテーテル
2012.03.14 17:14| .モニタリング→S-Gカテーテル|
スワンガンツ(Swan-Ganz)カテーテルは心機能や心不全を評価し、治療に反映させることを目的に用いられる。圧波形、基準値、データの意味を理解し、継時的に得られたデータと患者の状態を総括してアセスメントしていく。
挿入経路はCVカテに準じ(主に内頸静脈、鎖骨下静脈)、バルーンを膨らませることによって血流にのせ右房→右室→肺動脈へとカテーテルを誘導していく。
図1のようにそれぞれの位置に特徴的な波形がある。下に参考動画あります
《S-Gカテーテルにより得られる主なパラメータ》
CVP(中心静脈圧:Centeral Venous Pressure)
基準値:2-8mmHg (平均圧)
変動要因:平均圧↑で右心不全、輸液過多
平均圧↓で循環血液量の減少
RAP(右房圧:Right Arterial Pressure)
基準値:0-7mmHg
変動要因:平均圧↑で右心不全、心タンポナーデ
平均圧↓で循環血液量の減少
RVP(右室圧:Right Ventricular Pressure)
基準値:15-20/0-8mmHg
変動要因:収縮期圧↑で肺高血圧症、肺動脈狭窄
拡張期圧↓で右心不全、心タンポナーデ
PAP(肺動脈圧: Pulmonary Arterial Pressure)
基準値:17-32/8-15mmHg
変動要因:収縮期圧↑で肺塞栓
拡張期圧↑左心不全
※肺動脈拡張期圧≒肺動脈楔入圧(あくまで目安)
PCWP(肺動脈楔入圧: Pulmonary Capillary Wedge Pressure)
基準値:6-12mmHg (平均圧)
変動要因:平均圧↑で左心不全、肺うっ血
平均圧↓で循環血液量の減少
※カテの先端にあるバルーンを膨らませて右心室からの圧を遮断すると、肺の毛細血管の静水圧を示すようになる。これがPCWP。この圧は左心房の圧に近いと考えられている。
上図がフォレスター分類、PCWP18以上で、CI2.2以下だとやばいということ。。。(PCWP=PAWP)
SvO₂(混合静脈血酸素飽和度) 基準値:75%前後
肺動脈血の酸素飽和度で、体の酸素需要供給バランスを示す。心拍出量の低下、貧血、低酸素血症では酸素供給量が低下するため低下し、発熱、けいれん、興奮では酸素消費量が高まり低下する。
CO(心拍出量) 基準値:4-8L/分
CI(心係数) 基準値:2.5-4.2L/分/m²
→1分間に心臓から送り出される血液容量
→心筋収縮力低下や前負荷(循環血液量の低下、心タンポナーデなど)、後負荷の上昇で低下する。
※I(index)は係数でそれぞれのデータを体格補正したもの
→単位体表面積当たりの数値でみんなに使える。
<看護上のポイント>
・RVP波形がみられたら医師に報告を、右室にカテが留置されていると不整脈を誘発する。
・毎日の胸部Xpでも位置を確認する
・その大きさから固定が不安定になりがち、固定は確実に。
・PCWP測定時はバルーンを膨らませるが、測定後はすぐにバルーンのエアを抜く。
↑通常は医師がおこなう
※以下は参考程度に
SV(1回心拍出量) 基準値:60-100ml (SV×HR=CO)
SVI(1回心拍出量係数) 基準値:40-75ml/m²
SVR(体血管抵抗) 基準値:800-1200dynes/秒/cm⁵
SVRI(体血管抵抗係数) 基準値:1970-2390dynes/秒/cm⁵/m²
PVR(肺血管抵抗) 基準値:<250dynes/秒/cm⁵
PVRI(肺血管抵抗係数) 基準値:<285dynes/秒/cm⁵/m²
RVEDVI(右室拡張終末期容積) 目安:80-150ml/m² →ボリュームの指標
RVEF(右室駆出率) 基準値:45-50%
→右室1回拍出量を駆出率で割ると、右心室が最も拡張した時の容積すなわち拡張期終末容積(End-diastric volume)が計算できる。正常値は45~50%程度とされている。EFが低下し、かつEDVIが上昇していれば重度の心不全を意味す
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